◆ 容姿
外見年齢26～28歳程度。
灰金の髪は灰の色味が強く、仄かに金の艶が滲む程度。
胸元に掛かる長さ、毛先ほど巻きが強め。
常に微睡んでいるような眸。虹彩は藤色。
長く量の多い睫毛。薄紅の口唇、下唇はやや厚め。
生気に乏しい白い膚、黒い爪。肉付きは女性的。
うなじに蜘蛛の入墨。薄青い玻璃の耳飾り。

◆ 服装
黒のイブニングドレス風の装いに細いヒールの靴。
セパレートの総レース袖、大振りのフレアでかなり垂れる。
右膝の上からスリットが入り、フリルが彩る。
ゆるやかなマーメイドライン、足許を隠す長さ。
頸にピジョンブラッドのネックレス。

◆ 異能
闇を具現化し自在に操る能力。主に攻防に使用。
たとえばやいばに変え対象者を攻撃する、
盾のように構え攻撃威力を緩和する等々。
瞬間的に発動が可能だが、効果もまたすぐに切れる。
疲弊するほど連続発動が難しくなり、強度や正確性も落ちる。

闇に属する対象者にかぎり治癒能力を使用することが可能。
外傷が主立ったものであり、欠損や切断は当人の部位でないと不可能。
部位の状態が悪ければ欠損のたぐいの治癒は不可。
治癒の度合いが深いほど集中力と魔力を要し、
強力な治癒後や連続発動後は魔力回復に最低一日は掛かる。
やまいに対しては無効、凍傷や熱傷は不得手。
自分自身への治癒は魔力の引き換えを考えると効率が悪く、
緊急の止血に用いることもあるかどうかの程度。

纏う気配も行使するちからも純粋な闇属性。
対属性に弱く、それで得た負傷や疲弊の回復力は遅い。
身体能力や回復力は高く、人外のそれ。

◆ 武器
暗器としてナイフを右太腿に忍ばせている。

◆ 性格
魔族らしく享楽的。戯弄するのを好む。
対属性や身分の低い存在に対し無条件に毛嫌いはしないが、
積極的に馴れ合うこともしない。牙を剥くかは気分次第。
種としての誇りや矜持がない者にこそ冷ややかである傾向。
妄執に憑りつかれたような不安定さが時折覗く。

◆ 経歴
同族の心身を乗っ取り移り棲む悪魔。
器は意志の弱さや生きる望みの薄さを擁いた同族に限られる。
また、相性もあるため容易に乗っ取ることは不可能。
現在の器は他国で見付け、乗り移って五年ほど。
これまで乗り移った人物らの影響が内面の節々に及んでいる。
根強い情念がこころの中でくすぶり、心臓の位置に手をあて宥めることもある。

黒の森の奥深くに棲みついて三年ほど。
睡蓮が咲く池に囲まれた館には書物が山と積まれている。
錬金術師とは名ばかりで、実際は宝飾品を気紛れに制作し売っている。
“魔除けの効果がある”“幸運を招く”などの謳い文句がつくことが多い。
闇の魔教団とはつかず離れずの位置。
物や情報を売ることはあっても加入もしない。